
米国雇用統計は、米国の労働市場の情勢をみる十数項目のデータが盛り込まれた経済統計であり、非農業部門就業者数や失業率などが含まれています。発表前からマーケット参加者に注目される度合いが高く、通信社などによるエコノミスト調査の予想値に基づいて相場が動くこともあります。2023年6月2日に発表される5月雇用統計は、今後の為替動向を占う意味で注目度の高いものとなっています。3月の雇用統計では、非農業部門雇用者数は23万6000人増と市場予想を下回ったものの、堅調なペースを維持し、失業率は2月の3.6%から3.5%に低下し、労働市場の逼迫を示しました。しかし、急速な信用収縮の悪影響がこれから出てくることが予想されています。米国雇用統計は、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、投資家の関心を引き続き集めることでしょう。
5月の米国雇用統計で注目すべき点は、非農業部門雇用者数の増加予想です。2023年6月2日に発表される予定で、市場予想では前月比で17.5万人の増加が予想されています。また、失業率については下げ止まりが予想されており、0.1ポイント程度の上昇が予想されています。これらの指標は、米国の景気動向を測るうえで重要な指標であり、投資家の関心を引き続き集めることでしょう。
米国雇用統計の数字が市場予想を上回った場合、投資家は米国経済の先行きが良好だと判断し、景気への期待から株価は上昇し、ドルが買われ、金利も上昇する材料となります。一方で、米雇用情勢の改善によりインフレ率が上昇すれば、FRB(米連邦準備理事会)は政策金利の引上げを意識することが想定され、株式市場では警戒感が高まる材料となります。
米国株投資のメリット、デメリットを詳しく解説
メリット:
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成長性:
米国株市場は世界最大の規模を誇り、多くの成長企業が存在します。高いテクノロジーの進歩やイノベーション、大企業の存在などが成長性を支えています。
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多様性:
米国株市場にはさまざまな業種・セクターの企業が上場しており、投資先の選択肢が豊富です。さまざまな業界の企業に投資することで、リスクの分散が可能になります。
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リターンの潜在性:
成長企業の株式は将来的な価値の上昇が期待され、高いリターンをもたらす可能性があります。特にテクノロジーやヘルスケアなどの成長産業に注目することで、投資収益を最大化することができます。
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流動性:
米国株市場は活発で流動性が高く、売買が比較的容易に行えます。需要と供給のバランスが取れているため、取引がスムーズに行われることが特徴です。
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データの入手性:
米国企業に関する情報や財務データは比較的入手しやすく、投資判断の材料となります。企業の業績や財務状況を分析することで、より良い投資の意思決定ができます。
デメリット:
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為替リスク:
米国株を購入する場合、為替変動によって投資額や収益が影響を受ける可能性があります。
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規制環境の異なり:
米国株への投資には米国の規制や税制に関する理解が必要です。日本とは異なる環境での投資となるため、注意が必要です。
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情報の遅れ:
日本の投資家にとって米国の情報やニュースはタイムラグがあり、情報の取りこぼしが発生することがあります。適切なタイミングで情報を把握することが難しい場合もあります。
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価格変動のリスク:
市場の変動や経済の影響を受け、米国株価が大きく変動する可能性があります。株式市場は不確実な要素が多いため、投資額にリスクを伴うことを認識しておく必要があります。
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手数料や為替手数料:
米国株への投資には手数料や為替手数料が発生することがあります。取引手数料や外貨両替手数料などが投資コストに加わるため、長期的な投資計画に影響を与える可能性があります。
参考動画 : 5月29日【米国株、戻り歩調 日本株、スピード調整も ~今週は米雇用統計に注目~】みずほウィークリーVIEW 中島三養子