高配当な米国株のメリット
米国株は日本株に比べて高配当な銘柄が多く、長期的な資産形成に有利な投資先と言えます。高配当な米国株のメリットとしては、以下のような点が挙げられます。
– 配当金の再投資効果
高配当な米国株は、配当金を再投資することで複利効果を発揮します。配当金を再投資することで、より多くの株式を保有できるようになり、その分配当金も増えていきます。このようにして、長期的には株価の上昇に加えて配当金の増加も期待できるのです。
– 配当金の安定性
高配当な米国株は、安定した業績とキャッシュフローを持つ企業が多いです。そのため、景気の変動や株式市場の動向に左右されにくく、安定した配当金を支払い続けることができます。特に、連続して増配を続けている企業は、配当貴族と呼ばれており、高い信頼性を持っています。
– 為替差益の可能性
高配当な米国株は、ドル建てで取引されるため、円安になると為替差益が得られます。円安になると、ドル建ての配当金や売却益が円換算で増えることになります。逆に、円高になると為替差損が発生する可能性もありますが、長期的にはドル高傾向が続くと考えられるため、為替差益の方が大きくなる可能性が高いです。
高配当な米国株の選び方
高配当な米国株を選ぶ際には、以下のようなポイントに注意する必要があります。
– 配当利回りだけで判断しない
高配当な米国株を選ぶ際には、配当利回りだけで判断しないことが重要です。配当利回りは、株価に対する配当金の割合を示す指標ですが、株価が下落している場合は、配当利回りが高く見えることがあります。しかし、株価が下落している理由は、業績や財務状況が悪化している可能性があるため、将来的には配当金の減額や廃止のリスクもあります。そのため、配当利回りだけでなく、業績や財務状況もチェックする必要があります。
– 配当成長率を確認する
高配当な米国株を選ぶ際には、過去の配当金だけでなく、将来の配当金も考慮する必要があります。将来の配当金は、過去の配当成長率から推測することができます。配当成長率は、過去数年間の配当金の増加率を示す指標です。高い配当成長率を持つ企業は、業績やキャッシュフローが好調であることを示しており、将来的にも配当金の増加が期待できます。そのため、配当成長率も高配当な米国株の選び方の重要なポイントです。
– 配当性向を確認する
高配当な米国株を選ぶ際には、配当性向も確認する必要があります。配当性向は、利益に対する配当金の割合を示す指標です。高い配当性向を持つ企業は、利益の大部分を株主に還元していることを示していますが、同時に、自己資本の増強や事業拡大に使える資金が少なくなることも意味します。そのため、配当性向が高すぎる場合は、配当金の持続性や成長性に疑問が生じる可能性があります。一般的には、配当性向は50%以下が望ましいとされています。
高配当な米国株のデメリット
米国株には高配当な銘柄が多く、日本株と比べて収益性が高いというメリットがあります。しかし、高配当な米国株にもデメリットがあります。この記事では、高配当な米国株のデメリットについて説明します。
為替リスク
高配当な米国株はドル建てで取引されます。そのため、円とドルの為替レートによって収益が変動します。例えば、ドルが円に対して高くなれば、配当や売却益が円換算で増えますが、逆にドルが円に対して安くなれば、配当や売却益が円換算で減ります。為替リスクは長期的には相殺されるという考え方もありますが、短期的には大きな影響を受ける可能性があります。
税金
高配当な米国株のもう一つのデメリットは税金です。米国株の配当は源泉徴収税として15%が米国政府に徴収されます。また、日本では外国株式の配当は20.315%の所得税と住民税が課税されます。つまり、高配当な米国株の配当は約30%もの税金を支払うことになります。これは日本株の配当よりも高い税率です。また、売却益にも20.315%の税金がかかります。税金の負担を軽減する方法としては、NISAやiDeCoなどの非課税制度を利用することが挙げられます。
配当カット
高配当な米国株の最後のデメリットは配当カットです。米国株は日本株と違って、業績や資金繰りに応じて自由に配当を増減できます。そのため、経営環境が悪化したり、成長投資に資金を回したりする場合には、配当を減らすこともあります。特に、高配当利回り(配当額÷株価)が高い銘柄は、持続可能性が低い可能性があります。配当カットは株価の下落や投資家の信頼喪失につながるため、注意が必要です。
まとめ
高配当な米国株には魅力的な面もありますが、デメリットも無視できません。為替リスク、税金、配当カットなどのリスクを理解し、自分の投資目的やリスク許容度に合わせて適切なポートフォリオを構築することが大切です。